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2010年12月 アーカイブ

資本輸出国になった日本 3

本試算には大胆でしかも現段階では不適切な前提条件もあるので、数字自体は幅をもって読まれるべきです。


また、いずれのケースも、すべての人(政策目標)を満足させるというものではないですから、現実には選択はもちろん、政策のアクセントのつけ方にも民主的な討議を必要としましょう。


3つのケースそれぞれについて評点(得失)をつけてみました。


つまり、ケースAの場合は、財政均衡という点ではすぐれていますが、他の基準では概してのぞましくありません。


経常収支の対GNP比は現在とあまり変わらないのです。


ケースBの場合は、円高でインフレは最も落ち着きますが、刺激政策がなければ国内のデフレ効果が最も大きいです。


ケースCの場合は、多くの点でのぞましく、1990年には経常黒字の対GNP比はほぼ2%にまで低下します。


ただし、財政赤字比率は3ケース中、最も高くなりますが、それでも税収増で1990年には現状の比率よりは低くなります。


・・・以上の3つのケースいずれの場合も、経常収支の黒字の絶対額が大きいのは、前述の諸政策のうち輸入市場開放効果が織り込まれていないためで、実際にはその効果分だけ差し引くべきでしょう。

資本輸出国になった日本 4

結論的にいえば、私は第3のケース、つまり、積極的内需拡大型が国際協調という観点からは最ものぞましいと考えます。


これはいわゆる機関車論でもありますが、ただ1978年当時とは内外の経済環境がちがっていることに注意する必要があるでしょう。


しかし、いずれにしても、ケースCの場合でも、それが成功するためには、諸国とくに日米欧諸国の協調的協力が不可欠の前提です。


1978年のボン・サミットでは、日本および西ドイツが世界経済の「インフレなき成長」のために機関車の役割を果たすことになりました。


その試みは日本の場合に、内需拡大・経常黒字縮小をもたらして成功しましたが、財政赤字を残しました。


これ(内需拡大)を財政赤字と短絡的に結びつけ、今回は機関車の役割を演ずべきでないという議論があります。


しかし、それは正しくありません。


当時と現在は石油事情もインフレの状況もまったくちがうし、当時の日本の事後処理にも問題がありました。


反省すべき点は反省すべきだし、機関車を何で動かすかという方法はいろいろ工夫すべきですが、今日でも日本は機関車の役割を果たすべきでしょう。

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