資本輸出国になった日本 3
本試算には大胆でしかも現段階では不適切な前提条件もあるので、数字自体は幅をもって読まれるべきです。
また、いずれのケースも、すべての人(政策目標)を満足させるというものではないですから、現実には選択はもちろん、政策のアクセントのつけ方にも民主的な討議を必要としましょう。
3つのケースそれぞれについて評点(得失)をつけてみました。
つまり、ケースAの場合は、財政均衡という点ではすぐれていますが、他の基準では概してのぞましくありません。
経常収支の対GNP比は現在とあまり変わらないのです。
ケースBの場合は、円高でインフレは最も落ち着きますが、刺激政策がなければ国内のデフレ効果が最も大きいです。
ケースCの場合は、多くの点でのぞましく、1990年には経常黒字の対GNP比はほぼ2%にまで低下します。
ただし、財政赤字比率は3ケース中、最も高くなりますが、それでも税収増で1990年には現状の比率よりは低くなります。
・・・以上の3つのケースいずれの場合も、経常収支の黒字の絶対額が大きいのは、前述の諸政策のうち輸入市場開放効果が織り込まれていないためで、実際にはその効果分だけ差し引くべきでしょう。