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2010年11月 アーカイブ

資本輸出国になった日本

1986年にかぎっていえば、いわゆる為替レート調整のJカーブ効果(円高でも、外貨建ての貿易収支黒字がすぐには減らない現象)がありました。


そのうえ、日本の輸入のなかで比率の高い石油をはじめとする一次産品価格の低下がありますから、数量ベースの輸出入量は縮小ないし逆転していますが、ドル表示の貿易黒字はむしろ増加したのです。。


したがって、内需拡大を含む経済構造調整策の国際収支面への効果が確実に定着するには中長期の努力の継続が必要です。


しかし、それでも経常収支の黒字は残ります。


それは、


1.1986年の時点で日本の輸入弾性値(国民所得の伸びに対する輸入の伸び)が低く(1975年第14半期~1983年第24半期で0・74)、他方、輸出弾性値(輸出相手国の所得の伸びに対する日本の輸出の伸び)が高いからです。


それがもっと変わるまで、高めの成長が必要なのです。


そして、近年の増大する海外投資の結果、海外収益の還流で貿易外収支の赤字が縮小し、長期的には黒字に転化することも予想されるからです。


このことは日本が「資本輸出国」になったことを意味しています。

資本輸出国になった日本 2

従来の証券投資に加えて、今後は相手国の雇用増大、合理化に役立つ海外直接投資、技術移転、それに政府開発援助(ODA)を総合的に組み合わせて、世界経済の発展と安定に貢献すべきです。


・・・以上の政策を実施した場合、どれくらいの効果が期待できるかを計量的に予測することは、不確実要因が多く、困難です。


したがって、多くの欧米諸国と同じように、日本政府が公式的目標数字を公表し、これに拘束されることは必ずしも好ましくない、という声も多いです。


しかし、そのような効果の数量的予測がなければ政策の説得性がないことも事実です。


そこで私は若干の仮定をおいて、日本経済の将来(1986~90年)について3つのケースを描き、問題点を明らかにすることを試みました。


いま、アメリカ経済の成長率、石油価格等について若干の仮定をおき、そのうえで、A政策変更なし、B政策変更なく、円高がいっそう進行した場合、C国際協調型シナリオの3ケースについて経済の姿を試算してみるました。

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