資本輸出国になった日本
1986年にかぎっていえば、いわゆる為替レート調整のJカーブ効果(円高でも、外貨建ての貿易収支黒字がすぐには減らない現象)がありました。
そのうえ、日本の輸入のなかで比率の高い石油をはじめとする一次産品価格の低下がありますから、数量ベースの輸出入量は縮小ないし逆転していますが、ドル表示の貿易黒字はむしろ増加したのです。。
したがって、内需拡大を含む経済構造調整策の国際収支面への効果が確実に定着するには中長期の努力の継続が必要です。
しかし、それでも経常収支の黒字は残ります。
それは、
1.1986年の時点で日本の輸入弾性値(国民所得の伸びに対する輸入の伸び)が低く(1975年第14半期~1983年第24半期で0・74)、他方、輸出弾性値(輸出相手国の所得の伸びに対する日本の輸出の伸び)が高いからです。
それがもっと変わるまで、高めの成長が必要なのです。
そして、近年の増大する海外投資の結果、海外収益の還流で貿易外収支の赤字が縮小し、長期的には黒字に転化することも予想されるからです。
このことは日本が「資本輸出国」になったことを意味しています。