活版印刷、ふたたび 11
現在、手がける印刷物の多くは、短歌や詩の限定版の作品集。
それらの文芸作品では、常用漢字にない漢字もしばしば使われます。
だから工房に並ぶたくさんの活字や母型には、見たこともない感じがたくさんあるそうですし、ひとつ「、」が多いといった、同じに見えてわずかに異なる漢字もあります。
時には出版社による文字の違いもあると言います。
なぜ今も活版印刷を続けるのか。
理由のひとつは、豊潤な日本の文字の文化が、まさに失われようとしているから。
もともと人間の手から生まれ、歴史の中で形を変えた結果、金属の活字を通して紙に定着されるようになった文字。
しかし、その発達の歴史は、デジタル化の中で先行きが知れません。
活版を守るのは、貴重な文字の姿を未来に伝えることに繋がっています。